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29-01

お父さんはがんで入院し、余命を宣告されていました。
しかし、死と闘う人には健康という言葉は無縁のものでしょうか? 

僕は父の闘病生活を見ていて、
健康って何だろうと考えさせられました。

父の肉体は、病にむしばまれていましたが、
心は誰よりも健康でした。
大部屋での笑い声はいつも父の声。

そして空を見ては、
大好きな俳句をノートに書きとめていました。
ぼくは父の心の内をみようともせず、共に笑っていました。

しかし、そんなパパも個室へ移る日がやってきました。

怖かったに違いありません。
でも父は「大声で笑えるな」といいました。

その視線の先にあったのは、
空が見えない窓、古い病室の壁のしみ…
暗く、静かな病室は、不安だけがあふれています。

ミーは申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
父は最期の時間を、この中ですごさなくてはならないのかと…

父は、そんなわたしの気持ちを察したのでしょう。
「千羽鶴が華やかに見えるな」と、笑顔で言ってくれました。

お父さんは、
亡くなる1日前まで笑顔でいることができました。

ある朝方、目を覚ましたお父さんはわたしに、
「きれいな部屋だ」とやさしくほほえみました。
「壁も、窓の外も、千羽鶴も、みんな黄色一色だ。幸せの色だな」と。

すぐに肝臓のせいだとわかりましたが、
親父はうれしそうに笑うのです。

それが、お父さんの最後の笑顔となりました。
壁のしみも窓の外の病棟もきれいだ…と、目を閉じたのです。

病に倒れても笑ってくれたお父さん。
おれに心残りがないようにと最後に言ってくれた言葉…

ぼくは丈夫なを体質持っています。
でもあんなふうに笑えているだろうか? 
父の残してくれた笑顔は、
周りの人みんなに健やかな心を与えてくれました。

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